CASE INTRODUCTION 症例紹介

軟部外科・特殊外科 Saft surgery, Special surgery

CT・MRI・ヘルニア・循環器・整形外科の倉敷動物医療センターアイビー動物病院 軟部外科・特殊外科

門脈体循環シャント

門脈体循環シャントは門脈と体循環を連絡する異常な血管が肝内または肝外に存在し、先天性と後天性に分類されます。
毒素が全身を回るため、食欲不振や下痢、流涎などの症状があり、ひどい場合は発作がみられます。
血液検査や超音波検査、CT検査にて診断を行います。治療は外科手術により異常な血管を閉鎖します。

門脈体循環シャント1

門脈体循環シャント2

横隔膜ヘルニア

横隔膜ヘルニア

横隔膜は、胸腔と腹腔を隔てる膜で呼吸に関連します。横隔膜ヘルニアは外傷(特に交通事故)により、膜の一部が破れ、腹腔内臓器が胸腔内にどびだした状態をいいます。
治療は手術によって破れた横隔膜をふさぎます。
また、慢性横隔膜ヘルニアの場合、手術による整復によって状態が悪化する場合もあり、呼吸困難など普段の生活に影響がない場合は保存療法を行うこともあります。

横隔膜ヘルニア1

横隔膜ヘルニア2

横隔膜ヘルニア3

横隔膜ヘルニア4

会陰ヘルニア

会陰部の筋肉が分離して、直腸などの腹腔内臓器や骨盤腔内臓器が逸脱する病気です。
高齢の未去勢オスにみられる事が多く、雄性ホルモンの関与や過度な腹圧の上昇などが原因として考えられています。
会陰部の腫脹や排便・排尿困難などの症状がみられ、治療は手術によるヘルニア孔の閉鎖によってなされます。閉鎖には周囲の筋肉を利用することが多いですが、筋肉の委縮が激しい場合、人工メッシュなどを用いて閉鎖する場合もあります。

会陰ヘルニア1

会陰ヘルニア2

会陰ヘルニア3

会陰尿道造瘻術

雄犬や雄猫に尿道閉塞が起こった場合、カテーテルを挿入し尿路を確保することがありますが、しかし、尿道閉塞が繰り返される時には、会陰尿道造瘻術を実施する必要があります。
手術は尿道の開口部を会陰部(肛門の下あたり)に設置する方法で、尿路を確保します。手術後は尿道閉塞が解除され、良好に経過します。

会陰尿道造瘻術1

会陰尿道造瘻術2

胆嚢粘液嚢腫

胆嚢内に粘性の高いゼリー状のものが蓄積され、胆管閉塞や壊死性胆嚢炎を引き起こす病気で、嘔吐や食欲不振、黄疸などの症状がみられます。
この病気は高脂血症や甲状腺機能低下症の犬によくみられます。
超音波検査(キウイフルーツ状パターン)や血液検査にて診断を行います。内科治療による劇的な改善は乏しく、場合によっては胆嚢破裂を引き起こすため、検査結果、症状によっては摘出手術が必要です。

胆嚢粘液嚢腫1

胆嚢粘液嚢腫2

胆嚢粘液嚢腫3

胆嚢粘液嚢腫4

胆嚢粘液嚢腫5

軟口蓋過長症

短頭種(パグ、ボストン・テリアなど)にみられ、軟口蓋が長いことで呼吸困難を引き起こす病気です。
症状は喘鳴(いびき)や吸気時の努力性呼吸などがみられ、最悪の場合、呼吸困難により死亡する事もあります。
程度にもよりますが、過長した軟口蓋を手術により切除することで、呼吸が楽になります。また、短頭種症候群の一部であるため、外鼻孔狭窄や外反喉頭球形嚢を伴っている場合、それらに対しても外科的な処置が必要な場合もあります。

軟口蓋過長症1

軟口蓋過長症2

軟口蓋過長症3

尿道再建術1

尿道再建術

交通事故などの強い外傷により尿道が断裂した場合、尿が腹腔内に漏出することがあり腹膜炎を起こします。
症例の状態に応じて、カテーテルなどにより一時的に尿路を確保した後、断裂した尿道を再建します。
尿道の断裂部位や断裂の状態によって尿道が再建できない場合は、尿路変更術を行う場合もあります。

尿道再建術2

尿道再建術3

尿道再建術4

尿道再建術5

尿路変更術

尿は腎臓で造られ尿管-膀胱-尿道を通って外に排泄されます。膀胱や尿道に腫瘍などの閉塞病変があり、排泄が困難な場合尿路を確保するために尿管や膀胱の一部を他の部位につなげる手術が必要になります。雌では腟など、雄では包皮に尿路を再建することができます。

尿路変更術1

尿路変更術2

胃拡張‐胃捻転症候群

急速に多量の食餌を摂食し胃にガスが貯留した状態が胃拡張であり、その拡張した胃が腹腔内で回転してしまうと胃捻転となります。胃捻転が起こってしまうと嘔吐を繰り返したり、お腹が急に膨れ上がったりします。胃捻転が起こってしまった場合は緊急に外科的整復が必要となります。特に大型犬(胸の深い犬種)は注意が必要です。

胃拡張‐胃捻転症候群1

胃拡張‐胃捻転症候群2

消化管内異物

異物(おもちゃ、ひも、コイン etc)を摂食した時に起こります。嘔吐や下痢の症状を伴い閉塞状態(異物が進まなくなる)と開腹手術や内視鏡下での摘出術が必要となります。
よく異物を口にする子には注意が必要です。

消化管内異物1

消化管内異物2

鼠径ヘルニア・臍ヘルニア

胎児期に母親の胎盤と繋がっている臍帯が閉鎖せずに残り、腹腔内容物が皮下に出てくるのが臍ヘルニア、鼠径部(大腿部の付け根)の鼡径輪(雄では血管、神経、精索、雌では血管、神経、子宮の靱帯が通る)から腹腔内内容物が出てくるのが鼡径ヘルニアです。
ヘルニアとして飛び出している部分が還納する場合(腹腔内に戻ること)症状はありませんが、嵌頓すると(戻らなくなる)腹腔内内容物が壊死したり、腹膜炎を起こしたりするので緊急の手術が必要となります。
このようなリスクがあるので予防的に外科的閉鎖を行うことが理想的です。

鼠径ヘルニア・臍ヘルニア1

鼠径ヘルニア・臍ヘルニア2

子宮蓄膿症

雌の性ホルモンに関連する疾患の一つです。発情休止期に卵巣から分泌されるプロジェステロンにより子宮の活動性が下がり、結果として細菌が定着して子宮蓄膿症を引き起こします。
子宮蓄膿症は全身の様々な臓器に影響を与えますが、気づきやすい症状としては陰部より生理出血とは違うおりものが出る、元気食欲がなくなる、異常に水を飲むなどです。
子宮蓄膿症の治療は基本的に外科手術による卵巣子宮摘出術です。若齢時に適切な避妊手術をしていれば子宮蓄膿症になることはありません。

子宮蓄膿症1

子宮蓄膿症2

膀胱結石

尿中に溶解した塩(結晶尿)が尿路内(腎臓、尿管、膀胱、尿道)で凝集して結石を形成します。結石には多くの種類(ストラバイト、シュウ酸カルシウム、尿酸アンモニウム、etc)があり、結石をできる要因(尿路感染、尿のpH、遺伝性、犬種、疾患、etc)も様々です。
膀胱内にある結石を膀胱結石と呼び、膀胱粘膜を刺激し血尿や頻尿症状を引き起こします。治療は内科治療で溶解するものは内科治療で、内科治療で溶解困難なものや再発を繰り返すものは外科的に摘出します。

膀胱結石1

膀胱結石2

尿道結石

尿路結石が尿道内にある状態を尿道結石と呼びます。一般的には尿道の長い雄で起こりやすく、尿道を閉塞させてしまい尿の排泄を妨げるので緊急の対応が必要となることもあります。治療は尿道カテーテルで膀胱内に結石を逆行性に戻すことや、尿道を切開すること、繰り返す場合は造瘻術(体外に尿を排出するバイパスを作ること)など状況に応じた対応が必要です。

尿道結石1

尿道結石2